近年、ドイツビールと並び、ドイツのパン文化をユネスコの無形文化遺産として登録しようとする動きが起こっています。土をいじり、水に手をさらし、風とともに生きたゲルマンの民が築き上げた穀類の文化。ドイツ語で「液状のパン」との異名を取るビールと並び、ドイツパンはこの地域の歴史と生の躍動を体現するものであり、本来大変栄養価に優れた健康食品でもあります。
また、パンと並んでドイツ人の生活に欠かせないのがチョコレート。16世紀初頭にヨーロッパに上陸したカカオ豆の加工技術が進み、ドイツに初めてチョコレート工場が誕生したのは1804年のこと。以来、チョコレートは特権階級だけのものでなく、広く一般に愛される嗜好品となりました。近年ではオーガニックチョコレートの需要が高まり、「楽しむ」だけでなく、カカオの機能と栄養を丸ごと取り入れる「食事」としてのチョコレートが人気となっています。
本プログラムでは、それぞれのマイスターの元でドイツパンとチョコレートを学ぶ体験コースをご用意しております。
1934年にルダティングで創業したパン工房ワーグナーには、明確な企業理念があります。それは、パンを手にする顧客と、原材料の生産農家を結びつける職人として、地域の環境を守りながら伝統的なオーガニックパンを作り続けること。自然農法が当たり前だった創業時のクオリティを維持し、さらに改良を重ねていくワーグナー家のフェアで情熱的なビジネスモデルは徐々に受け入れられ、ルダティングでカフェ&オーガニックスーパーを併設する本店、そしてパッサウの中心部にある支店は、今では地元の人々の生活に欠かせないものとなりました。
砂糖の一粒に至るまでオーガニック製品の使用を徹底するワーグナー家の元、本物のドイツパン文化と職人技の伝統を体験してみませんか。
1903年創業の菓子工房シモンは、ドイツのチョコレート文化の伝統を守るだけでなく、「パッサウという街の歴史と今」を職人技で表現せんとする革新者。たとえばその試みのひとつ、「司祭のお気に入り」と名づけられたトリュフは、キリスト者の生活に欠かせないフランキンセンス、ラベンダー、ビターチョコレートと生クリームに、モミの木の蜂蜜を組み合わせたもの。かつて強大な司教区として栄華を極めたパッサウの歴史が香る特別な一品です。工房長であるワルター氏とその弟のフランク氏は、このトリュフの発明によって、バイエルン・パティシエ協会の金メダルを受賞しました。
人々を幸せにするお菓子を作り続けるシモン家の元で、南ドイツの製菓文化を学んでみませんか。
<実習旅行の場合>(2週間の滞在)・・・2,500ユーロ
ミュンヘン空港⇔実習現場の送迎、ドイツでの生活の案内、実習時の案内及び通訳(逐次通訳はなされません)、ホテルなどの滞在場所のアレンジメント、一般的なサポート
<見学の場合>通訳付き、1時間・・・500ユーロ
※渡航費、食費、観光費等は含みません。