ツアー旅行では実現できない近さで、ワーキングホリデーや一人旅よりも安心に。
海の向こうの世界を若年のうちに垣間見ることも大変有意義ですが、異国の日常のあり方を細やかに楽しむことができるのは、自らの生活を長年に渡りその手で織り上げてきた者。生きる知恵や工夫を苦楽とともに経験してきた者こそが、他国のそれと自らの毎日を重ね、その共通項や相違点を見つける喜びを知るのです。懸け橋プロジェクトでは、そんな大人の女性に向けたホームステイプランをここにご紹介します。
ドイツのスーパーマーケットにはどういった品物が並んでいるのか、一般的な子供部屋はどんな様子か、ドイツの人々は家での時間をどういう風に過ごすのか。添乗員に連れられて街々を訪れるだけでは分からない、ドイツのありふれた日常のシーンに身を置いてみませんか。
その舞台は、南ドイツの小さな街パッサウ。二千年以上の歴史を持ち、西洋史上非常に重要な位置づけにある街でありながら、都市部の面積は小さく、穏やかで治安のよい場所です。ドナウ、イン、イルツの三河川が出合い、オーストリア・チェコと国境を接するパッサウだからこそその地層に持ちえた文化の折り重なりを感じつつ、南ドイツの暮らしを思い思いに発見してください。
本プログラムはホストファミリーの元で生活の場を体験することを目的としているため、逐一の付き添いはありませんが、パッサウ市在住の認可ガイドが全日程をサポート致します。
旅程の一例:
<一日目> ミュンヘン空港よりバスで走行、約二時間でパッサウに到着。ホテルWilder Mann泊。
<二日目> 街の観光(聖シュテファン大聖堂のオルガンコンサート、オーバーハウス城塞、三河川クルーズなど)。夕食の後、ホテルWilder Mann泊。
<三日目> ホテル内にあるヨーロッパ随一のガラス博物館を見学、その後自由行動。午後、パッサウ市民大学主催のボヘミア料理コース、ホストファミリーを招き試食会兼夕食。夜はホストファミリー宅に宿泊。
<四日目> 終日ホストファミリーと過ごす。ドイツの家庭料理体験&日本の家庭料理の紹介。
<五日目> ホストファミリーと遠足。ホストファミリー宅に泊まる最後の夜。
<六日目> パッサウを出発。
プログラム料金:1,000ユーロ(参加者10名の場合)
※費用に含まれるもの
・ホテルWilder Mannの宿泊費
・パッサウ市民大学でのボヘミア料理コースと試食会
・ホストファミリーへのお礼金
・ミュンヘン空港からパッサウまでの送迎、観光と遠足、夕食
この地方に固有の民族衣装である"Dirndl"(ディルンドゥル:ギャザースカートとブラウス)と"Lederhose"(レダーホーゼ:革製のズボン)には、自らの故郷と歴史を誇るバイエルンの人々の思いが詰まっています。こうした民族衣装は、バイエルンの民族音楽である吹奏楽、靴を鳴らす伝統舞踊の"Schuhplatteln"(シュープラッテルン)などと並んで、各市町村にある民俗文化協会が保護促進に努めているもの。このディルンドゥルとレダーホーゼに身を包んだ人々が躍るのが、バイエルン伝統のフォークダンスです。
懸け橋プロジェクトでは、パッサウ近郊の民俗文化協会によるダンスパーティーを体験する他、ディルンドゥルとレダーホーゼの専門店を通訳とともに訪れるオプションをご提案致します。どこか懐かしいメロディに合わせてディルンドゥルの裾が舞うその会場を、皆さまも訪れてみませんか。
地場野菜やハチミツが並ぶマルクト。街の広場や教会の前など、各都市を象徴する場所で定期的に開催されます。
暖炉に燃える火。バイエルンの片田舎では、庭の木を切り、それを乾かして薪として使用します。一方都市部では、ホームセンターで売っている薪を利用することがほとんど。煙突工が定期的に検査に訪れるのも、暖炉のある文化圏ならでは。ちなみにこの煙突工、人々を火事から守る役割を果たしたことから、幸運を呼ぶシンボルとして親しまれています。
シナモンの利いた焼きリンゴに、バニラアイスと生クリームを添えて。お菓子作りの歴史と伝統は、それぞれの家庭にしっかりと受け継がれていきます。
屋根を行く猫。動物愛護と福祉のシステムが確立されているバイエルンでは、いわゆる日本で言うところの「野良猫」が道を歩いていることはありません。彼らはみんな、お散歩好きの家猫たち。
2017年12月の初旬、広島市の絵画教室のみなさまが当プログラムに参加されました。クリスマスマーケットが始まったこの時期、ミュンヘンとサルツブルクの観光にパッサウでのステイを組み合わせた今回の旅程は、ご好評のうちに無事終了となりました。バイエルンの州都ミュンヘンにてドイツの歴史の中心を歩き、パッサウで一般家庭の日常を体験し、バイエルンと縁深きオーストリア・サルツブルクでは芸術の小道を行く-非日常の中で南ドイツの日常を知るこの八日間をみなさまが心から喜んで下さったことが、懸け橋プロジェクトの励みとなりました。ご参加いただきありがとうございました。